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原油高騰の理由
最近ニュースなどで、原油高騰の話をよく耳にすると思いますが、
今回は、どうして現在原油が高騰しているのかを説明していきたいと思います。
コロナ感染症の影響
実は、コロナと原油とは直接的な関係はありません。
では、なぜそうなるのかについて、説明します。
2020年に世界的にコロナ感染症が急速に蔓延し出し、モノを作る人・売る人等に感染症が広がり出すと同時に、外出禁止や移動制限が各国で行われました。
そのため、世界的に経済が低下し先行きが見通せない状況となり、原油の購買も低迷しました。
結果、原油価格が急低下しました。
原油価格の急落からOPEC各国で協議を行い、原油を減産することを決めました。
原油価格の急低下を回復させようとし、原油価格は何とか維持でき、経済活動が少しずつ回復し始めると、原油価格も少しずつ回復・維持できるようになりました。
その後、ワクチンができ、感染症患者が減ってくると、外出禁止や移動制限も緩和され、モノの生産も戻ってくるようになり、原油の調達が必須となり需要が増えることになりました。
経済の原則から需要が増えると、その需要品の価格はさらに上昇を続けるようになり、コロナからの急速な経済回復が、全世界的に見込まれることから、市場が回復を取り戻し、原油の高騰へと繋がっているわけです。
経済回復がある程度安定してくると、原油の高騰も収まってくると思います。
ロシアとウクライナの戦争での影響
今年の2月にロシアとウクライナの戦争状態が始まり、原油価格の高騰につながっています。
ロシアとウクライナの戦争をいずれ自国に戦火が及ぶと考え、ヨーロッパが一斉に非難しています。
そのため、ロシアが原油の供給を一方的に停止することが懸念され、世界的な原油不足によって、生産や物流が停止するのではと証券取引市場が予測し、原油価格の高騰へと繋がっているのです。
さらに、経済制裁の一環として、原油をロシアから輸入しないというヨーロッパ全体の意思が検討され、実現すれば世界の4%の原油生産が失われることになり、中東だけで不足分を量産することが難しく、世界的な原油の不足が懸念されています。
3月初旬の段階では、1バーレル当たり150~160ドルという原油の高騰となって世界経済市場を混乱に陥れています。
1バーレル当たり150ドルとは、今までのおおよそ2倍近くの高騰です。
対策として、OPECによる増産やアメリカがシェールオイルによる原油増産を決めれば、価格は落ち着く可能性が有りますが、高額な設備費用を要することや、産油各国の思惑もあり、様子見状態になっているのが現状です。
ただ、証券取引市場だけが悪い方への予測を立てて、原油価格の高騰を招いています。
このように、1国の戦争が証券取引市場を混乱させ、原油価格高騰へと繋がっていきます。
これは、ロシアとウクライナの戦争に限らず、中東で起こった場合でも原油高騰は起こり得ます。
まとめ
今回は、原油高騰の理由について、例を2つ挙げて紹介してきました。
原油価格高騰の本質は、世界的な証券取引市場を揺るがす事件が起きた時に、証券市場が利益を確保するため、売り・買いの挙動が激しく動きます。
その結果として、原油がさらに必要か、もう必要ないという予想が立てられ、原油価格の高騰・暴落といったことが起こります。
証券市場価格と原油価格は世界的に微妙なバランスでつながっている為、原油価格の変動が起こります。
以上のような経済証券取引市場という難しい世界の中で、原油の高騰に対抗する手段を持たない私たち一般の消費者は、経済が落ち着くまで我慢し、使うべきお金は使っても、我慢できることは無駄遣いしないようにして、上手に生活していくことがベストではないでしょうか。