高齢者のための浴室リフォーム｜安心・安全な入浴空間にする方法

高齢者や要介護者の家庭内事故の発生場所として、筆頭にあげられるのが「浴室」です。

心身の疲れをとり最もリラックスできる浴室でありながら、その場所が一番の危険個所となっているのはなんとも皮肉なことです。

 

今回はこの「浴室」を危険個所にさせないために、どのようにリフォームを考え、実行すべきかを解説してまいります。

癒しの空間であるべき浴室の「早過ぎるリフォーム」と言うことはありませんので、将来的なことも考え是非この機会に検討なさってください。

 

高齢者のための浴室リフォームとは

高齢者や要介護者にとって浴室には、どのような危険要因が潜んでいるのか、先ずはご家族の皆さんも充分に理解しておく必要があります。

適切な浴室リフォームを実行するためにも、しっかりと整理しておきましょう。

 

最も高い転倒リスクの要因

• 脱衣所と浴室との間の出入り口の段差につまずく
• 水や石鹼などを使用することで、足場が滑りやすくなる
• 一般的な浴室は、洗い場と浴槽にかなりの高低差があり、この段差が転倒事故に繋がりやすい

 

その他のリスク要因

• 長風呂や浴槽のお湯が熱めの場合、血管が広がりやすくなることで血圧低下となり入浴中に意識を失い、そのまま浴槽内で溺れてしまう
• 特に冬時期の居室と脱衣所や浴室内との気温差により、血圧が急激に上がったり下がったりを繰り返すことでヒートショックを引き起こしてしまう

 

適切なリフォームが安心・安全な空間を生む

高齢者や要介護者が、たった一度でも転倒やつまずきの危険を感じてしまうと、その場所へはなかなか積極的に行こうとしなくなってしまいます。

楽しみの一つであるお風呂でゆったりと浸かりたいのに、「トラウマ」的な場所になってしまうことは悲しいことですよね。

 

やはり支えるご家族の皆さんが、このような危険を感じさせる前に適切なリフォームを実行しておくことが大事になります。

高齢者や要介護者にとって安心・安全なバリアフリー化された浴室を早めに準備しておきましょう。

 

高齢者のための浴室改修リフォームポイント

安心・安全な浴室空間にするためのリフォームポイントを具体的に紹介していきます。

高齢者や要介護者が入りやすい浴室は、間違いなくご家族の皆様にとっても快適な浴室になります。

 

段差の解消と浴室ドアの変更

浴室と脱衣所の間に段差があります。

少し前のタイプですと浴室からの水が溢れ出ないように１０㎝程度の段差がありますし、最近のタイプでも少しの段差があります。

しかしこの少しの段差でも、つまずきの要因になりますので、この箇所の段差を解消しておきましょう。

 

また浴室ドアが開き戸や折り戸である場合は、引き戸に変更することも併せて検討しましょう。

万が一浴室内で転倒してしまった場合、扉を開けられなくなり救出に手間取るケースが考えられます。

引き戸に変更することでこの危険は回避できます。

また将来的に浴室用の車椅子が必要になった場合でも、引き戸にすることで間口が広がり出入りがスムースにできます。

 

滑りにくい床材に変更

水滴が常に残っている床面は、石鹸などの油分や皮脂によって滑りやすくなりますので、床材の変更も非常に大切です。

いろいろなメーカーで特徴のある床材が開発されていますので、その一部を紹介しておきます。

 

TOTO　ほっカラリ床

• 滑りにくい⇒カラリパターンが入り溝ができることで凹凸感が生まれ、足裏にフィットするのでシッカリとした踏みごたえがあり、滑りにくくなっています
• やわらかい⇒床の内側にクッション層があることで畳のような柔らかさになっています。
• 膝をついても痛くないので介助者にとっても優しい床材です。
• お掃除ラクラク⇒床表面に特殊処理が施されており、親水効果で皮脂汚れと床の間に水が入り込むことで、ブラシをするだけで簡単に汚れが落ち、お掃除がラクになります。
• ヒヤっとしない⇒2つの断熱層で足裏からの冷気をシャットアウトします。室温とほぼ同じ温度になるため寒い冬でも安心して入れます。またこの2つの断熱層は柔らかさだけでなく、断熱性保持、衝撃吸収、防音効果を高めます。
• 翌朝もカラリ　⇒タテヨコに規則正しく刻まれたカラリパターンで、水滴が床表面の溝を伝わって排水、残った水は翌朝までには自然乾燥されます。
• 水気が残らないことで、カビの発生を抑え衛生面でもうれしい床材です。

 

安心できる手すりの設置

浴室内の手すりの設置は、家の中でも特に必要性が高い場所になります。

足元が濡れて滑りやすいこと、浴槽をまたぐ動作、浴槽内の立ち座りや浴室用の椅子からの立ち座り等々、気を付けなければいけない動作がたくさんあります。

 

縦タイプのI字型手すりは、椅子からの立ち座りや浴槽をまたぐ際に必要になります。

取り付け場所は、椅子の近くに一つ、浴槽をまたぐ場所の壁側にも一つ設置するのが一般的です。

さらに出入り口付近に取り付けることで、出入り口の段差越えをサポートします。

 

横一タイプの水平型は、歩行などの平行移動時や姿勢の保持をサポートしますので、それぞれの適正な箇所に設置します。

浴槽内でお湯に浸かっているときは浮力で身体が浮くこともあり不安定になりますので、浴槽内や浴槽脇に水平型を設置することもおススメします。

 

縦一タイプと横一タイプを合わせたL字型タイプの手すりもありますので、対象者の身体状況や浴室内のレイアウトによって適切なモノを選択しましょう。

 

跨ぎやすい低床浴槽への変更

高齢者や要介護者にとって浴槽をまたぐ動作は、かなり至難のワザです。

普段片足立ちのような動きをすることがなく、筋力低下も加わってバランスを崩してしまい転倒の危険が高くなります。

 

床面から浴槽の縁までの高さは、一般的な浴槽で60㎝ほどと言われていますが、逆にあまり低過ぎても浴槽に入りにくくなります。

理想の高さは40㎝前後だと考えられています。

浴槽も各メーカーで、いろいろ研究されたバスタブがありますので、その一部をご紹介します。

 

Panasonic スマイル浴槽

• 出入りがラクラク

浴槽をまたぐところが低くて薄いから出入りがラクラクできます。

またぎこみ部分(浴槽フチの中央部)の高さが42㎝で、周りよりも5㎝低く設計されているので、足を高く上げなくてもまたげます。

 

• 安定した姿勢で出入りできる

床面と浴槽の底部分の高低差が3㎝と少ないことや、浴槽のフチが薄くなっていることで、またぐ際に片足体重の負担が軽減され安定した姿勢で出入りができます。

足腰の弱い高齢者にとってうれしい形状になっています。

 

• 座って出入りする時もラクラク

浴槽のフチが平滑で座りやすくなっていることや、座って出入りする時にフチの両端との高低差が5㎝あることから、足運びがラクで出入りがしやすくなっています。

 

暖房・換気・乾燥の強化でヒートショック予防

温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することでヒートショックを引き起こしてしまいます。

これが誘因となって、目まいや失神・意識障害や脳梗塞など重篤な事故に繋がってしまいます。

特に冬場の高齢者に多いのが特徴的です。

 

冬時期の温まった居室から冷え切った脱衣所・浴室へ移動した時の温度差を極力少なくすることで、身体への負担を軽減し、ヒートショックを予防することが出来ます。

なかでも浴室暖房乾燥機の設置は有効な予防策となります。

入浴前に脱衣所や浴室を温めておくことで予防ができますし、ブルっとする寒さを感じないで快適に入浴できるのが嬉しいですね。

 

また、夏場の入浴中の熱中症予防にも、冷風機能がありますので浴室暖房乾燥機が役立ちます。

さらに浴室内の換気や乾燥ができる機能が付いていますので、ぬめりやカビの発生を抑制してくれ、清潔な浴室環境を維持してくれます。

その他にも浴室や脱衣所の窓の断熱性能を上げるリフォームも有効です。

 

介護保険・補助金を活用した浴室リフォーム

住宅改修費支給制度を利用してリフォーム費用を軽減

公的介護保険を利用した住宅改修を行うことで、少ない費用負担でリフォームが可能になると同時に、高齢者や要介護者だけでなくそのご家族にとっても、安心して暮せるリフォームとなります。

 

この「住宅改修費支給制度」は、要介護認定の区分に関わらず一律２０万円が限度額となり、掛かった改修費用の1割～３割の自己負担（＊）で済みますので、大きな費用負担の軽減になります。

また、住宅改修費の利用は原則一人一回となりますが、２０万円の限度額に達するまでは何回でも利用が可能になります。(２０万円を超過した差額は全額自己負担となります)

 

住宅改修費支給制度の利用におけるいちまるホーミングのサポート

介護保険を利用するにあたっては、ケアマネージャーとの連携が大事になります。

要介護者の身体状況を把握しているケアマネージャーから情報を聞いた上で、その内容に沿ったリフォームプランが必要になります。

 

また住宅改修費支給制度を利用するには、事前・事後の申請や指定書類の作成が必要です。

いちまるホーミングでは、介護保険の利用にあたり申請の手順やどんな書類が必要になるのかを分かりやすく説明させて頂いています。

 

いちまるホーミングが選ばれる理由

女性一級建築士

いちまるホーミングでは、女性一級建築士が女性ならではの視点から、高齢者や要介護者の今後の暮らしやすさを先ずは優先的に考え、同時にそのご家族さまの生活動線や介護に関わる負担の軽減も考えた〝細かい気配り″を心掛けております。

なかにはデリケートな内容の相談も、担当が女性だから話がしやすいとご評価いただいております。

 

現地下見します

リフォームする上で、大切なことの一つに「現場の下見」があります。

いちまるホーミングはこの「下見」を大事にしており、お住いの住宅環境や住宅の正確な状況を実際に目で見ることで得られる情報を大切にして、追加料金の無い正確なお見積りとリフォームプラン提案に活かしています。

このような取り組み姿勢が、お客さまに不安を感じさせないことに繋がっていると考えます。

 

担当が変わりません

いちまるホーミングは設計から施工まで同じ社員が担当する一貫体制を敷いていますので、打ち合わせ等がスムースに進行します。

さらにプランの変更や追加に対しても柔軟な姿勢で対応し、『伝達ミスで要望が現場に通っていない』というミスが起こらない体制を獲っています。

いろいろな問い合わせにも素早いレスポンスで、お客さまからは「ストレスがない」とご評価をいただいている点が、弊社が選ばれる理由の一つだと自負しております。

 

お客さまのこれからの生活が、快適で健康的な暮らしができる住空間の提案から補助金制度の上手な活用方法まで幅広く、お客さまに寄り添ったサポートをしてまいります。

 

いちまるホーミングにお任せください

私たちは、皆さまからのご要望をしっかりとお聞きした上で、プロとしての豊富な経験と実績を活かした「安心して暮らせる住まい」を提供するプロ集団を目指しております。

 

地元を愛し地域に根ざした「地域密着型」の集団ですので、急な相談にもフットワーク良く対応させていただきます。

ご依頼を頂ければ、直ぐにスタッフがお伺いします｡

無料相談会も随時開催しておりますので、静岡・焼津・藤枝・島田のエリアで「浴室リフォーム」の件でお聞きになりたい点がございましたら、是非いちまるホーミングにご一報ください。